グレショー第14回目の公演は初ミュージカルの『美しい人』
風刺的な物語で結構考えさせられる物語になりそうだなと今からとっても楽しみです!
冒頭の母音だけでの会話、あれは架空の世界であることの演出?
ストーリー自体が理解できるようにニュース映像は通常の話し方だけど
それ以外の登場人物が最初は母音だけで話していることで
パラレルワールドですよと伝える演出なのかな?
ゴロウ(福本大晴)について
大晴ってすごく素直だし自分がやりたいって思ったことに対しての集中力・没頭力がすごいなって日々思っていて、それが演出家の大野さんがTwitterで答えてた眩しいが故の狂気なのかなって思う。
ありがとうございます。福本大晴さんは、僕は「闇」は全く感じません。逆に光が強すぎる狂気を感じるのです。輝きすぎて普通ではない感じ。作家を刺激する俳優さんです。 #Peing #質問箱 https://t.co/AaV40NfSFF
— 大野裕之@映画『ミュジコフィリア』脚本・製作 (@ono_hiroyuki) 2022年9月6日
自分は正しいと思っての行動に対して周りから否定的なことを言われると素直に「え、なんで?」って驚くんだと思う。
理系だし、多分割と論理的思考タイプだからこそ、自分の信じてることや言動には何故そうしたか、そう信じているのかをバックアップ出来る根拠もあるだろうから、大晴の素直さの輝きと本人の自分の言動への自信による輝きが眩しすぎるとそれがいつしか狂気的になってしまうのかも。
話は逸れるけど、大暴力での「君の剥製」で感じた狂気もそれに近いと私は思ってる。前の彼女が居なくなってしまって寂しいから彼女との剥製の思い出を過ごせば自分は幸せになれるって信じて今の彼女と元カノとの思い出の剥製を過ごしている。だってそれが自分にとって幸せだから。何も間違っていないって思ってそうなあの狂気は大晴の素直さが暴走した姿として見えるからなのかなって。
それを踏まえて、今回のゴロウも自分が信じていることに対して真っ直ぐで努力するからこそ狂気的な言動になってしまうのかな?っていうのが今回の放送の感想。
ゴロウは亡き母から話を聞いていた「美しい花」への憧れが強い。すごくいい香りのするその花に小さい頃から夢中だったのかな?
美しい花の話の途中で急に神様の心配が出てくるのはなんでだろう?絶対的存在である神への崇拝心の表れ?
ホームレスを檻に入れておきながら、「命は大切に」というゴロウの思考回路から彼の感覚がおかしい部分が既に表れている。幼い頃に両親を失っているから「命は大切に」は本心だと思うし、ゴロウは政府の政策にも賛成。ゴロウにとって「美しい人」の設立は彼なりの正義なのかも。でもゴロウの目とジュウロウ(末澤誠也)のホームレスを見る目の色が全然違う。ジュウロウは相手も人間として接して一緒にこの「美しい人」を作りこの政策を成功させましょうという意志が感じられるけど、ゴロウにとってはホームレスたちはこの政策を成功させるための「コマ」でしかないような雰囲気がするのが怖い。
なんだかこの兄弟、ワンピースのドフラミンゴとコラさんみたい。そして美しい人を作ってホームレスを排除しているこの国と政策はルフィの故郷のゴア王国みたい。
ホームレスたちと政府
マカロンの2人、檻に入れられて出してくれと言っている時から、曲終わりの政府の言葉に惑わされた状態では目の色が全然違うのがすごい。
政府側が歌っている時に段々と強気だった目に迷いが出て、歌い終わりにはなんだか弱々しくなっている感じ本当に演技が上手なんだなって思った。
最初は「騙されない・騙せない」って言ってたのに総理が出てきてプロジェクトの話を聞いた後に「捧げ物の美しい草花を私たちが育て"させていただく"のか?」と言っている時点で既に本人たちの意思とは逆に騙され、丸め込まれてるんだよね。
〜させていただくという敬語が相手の了承を得て〜の行動をするという意味だから、育てるのか?ではなく育て"させていただく"になっている時点で美しい人の中での任務はホームレスたちにとって強制ではなく、政府の了承を得てする行動になっている。
つまり「育てさせていただく」と言っている時点で政府に良いように言いくるめられている。
総理の演説
「芸術は人を欺く虚しい知識
本当に大事なことは何かを変えることなのです」
中略
「本当の美とはなんでしょう?
それは私たちの体に宿る人の力、生きる力
それこそが美そのもの」
政府側の人間の美しいハーモニーで「生きる力こそが美」と伝えられているけど、これって家や職を失っても、それでも必死に生きているホームレス=収容されているあなたたちこそが美とも捉えられる気がする。
見た目も綺麗で自信もあって、何より総理という立場の人に「皆様こそが美しい人なのです」って面と向かって言われると、不況の中、職を失い生きるのに必死で心につけ込む隙間のあるホームレスたちは「そんな言葉をかけてくれるんだ」って心を動かされて、この政策を信じてしまう、気持ちが傾いてしまうのもなんかわかる気がする。
ホームレスたちも精神的にはギリギリを生きているのであれば、優しい言葉で、美しいハーモニーで、それっぽいこと言われたらその綺麗事を信じてしまいたくなるよね。
しかも心が傾いた状態で最後に総理が力強くこう語りかけたらもう信じてしまう気がする。
「真実は裏切る。善なる心でさえ嘘をつく。
だが美は、美の力は絶大だ。
あなたたちは美しい人です」
頑張って働いていたので不況で職を失ってしまった。善なる心で働いていたのに裏切られてしまったホームレス達にとっては説得力のある言葉だと思う。
でも政府がここで言う「美」は総理が意味をなさないと言った彫刻や絵画と同じ括りの「美」ではなく、政府にとって都合のいい綺麗事という意味での「美」なんだと思う。
美しい人で働くことにやりがいを感じているゴロウとジュウロウもまた、総理の綺麗事に惑わされている”美しい人”なんだと思う。
一つ疑問なのはなんで兄のジュウロウ方が弟のゴロウより名前の数字が大きいんだろう?パラレルワールドだから、上の兄弟の方が数字が小さいという概念がないってだけかな?
ギリギリに書きまとめてたらもう次回の配信始まってる!
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