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THE GREATEST SHOW-NEN第14回公演【美しい人】感想 《第2弾》

第14回公演『美しい人』3週目の感想ブログです。

 

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先週の感想はこちら:

black-pippi.hatenablog.com

 

美しい草花のチェックをするゴロウとジュウロウ

先週の放送でゴロウは幼い頃から母に聞いていた美しい花のいい匂いを香ることを夢見ていたのがわかるが、ここで初めてその花を見て香ることができる。

美しい人が積んだ花の匂いを嗅いで、違うとNGを出す。

ジュウロウは香りを嗅ぐのではなく、花そのものを観察して花粉のつきかたで判断している。

つまりゴロウは主観的に、ジュウロウは客観的かつ論理的に草花を確認している。

美しい人を見下している上に美しい花の香りに憧れがあるゴロウは、この主観的な確認方法だと一向にOKを出さないような気がする。美しい人が正しい美しい草花を育て、それを見極めることなんてできないだろうと思っていそう。それが故に正しい花粉のつきかたをしているものもゴロウの手によってNGになるんじゃないかな?

 

リーさん

みんなで手を繋いで円を描くように回って、その一個の出来事で楽しかったというポジティブな感情が生まれたり、中継されて注目浴びて少し気持ち良くなったことで「まあ、いっか」と思っている。

先週の総理の演説で元々美術館の建物に飾られてた絵画や彫刻は"意味のないもの"と言っていたけど、意味がないのではなく都合が悪いものなのかもしれない。

私はアートに触れることって感受性が豊かになって想像力や知性も育つと思っている。でもこの考える力がついてしまうと政府にとっては都合が悪い。リーさんみたいに一個楽しいことがあったから「まあ現状も悪くないか」って思考停止してもらった方が断然都合がいい。だからこそ政府は絵画や彫刻などの美術品を排除して、それらが展示されていた美術館に美しい人を展示しているんだと思う。

元々絵描きをしていたコウさんに対して「高尚な趣味やなあ」って言っていることからリーさんも元々は感受性豊かで知性や想像力、思考力のある人だったんじゃないかな?それが不況になって、生活に余裕がなくなっていったことで心の余裕もなくなり、思考力の低下していったのかな?

それこそ今は調べればなんでもすぐ情報が手に入るけど、利便性の裏にはフェイクニュースなどを見破る力も必要。ただ情報を鵜呑みにして思考力が低下していくとリーさんみたいになってしまうのかな。

政府の会議でも世論はどうにでもなると言っていた。メディアでポジティブな内容を国民に伝え、景気が狙い通り回復していけば総理の支持率も上がる。この「なんか良さそう」という雰囲気を作れれば政府の思い通り。それこそAぇは情報番組にレギュラー出演してるメンバーもいるし、グループ全体で万博にも携わってる。プロパガンダに利用されていると嫌がる人もいるかもしれないけど、そう言ったメディア露出をしながらも今回みたいな作品に出ることでファンは政治について考えるきっかけにもなるんじゃないかな。そもそもアイドルが政治関係だったり情報・報道番組に起用されるのは彼らの起用をきっかけに興味を持ってもらうため。改めてこの作品を通して思うのは、Aぇの活動きっかけに政治に興味を持って、自分で調べて/考えて投票行く人が増えたらいいな。選挙はいつも行ってるけど、改めてリーさんにはなりたくないからこれからもちゃんと選挙行こう。

 

元社長と元部下

この2人、イライラする!そもそも先週の放送で元社長が倒産しそうだったから社員全員で入園したって言ってたけど、それもはやパワハラでは?社長が倒産後の社員の生活きめて言い訳なくないか?しかもとりあえず入っておけばいいかみたいなお気楽な考え方だから倒産したんじゃないの?と思ってしまう。中継の後、女の子何人か呼んで飲みに行こうって元部下に言ってるけど状況わかってなさすぎ。コウさんが絵描きだったと知った時に「気楽でいいね。(中略)世の中の厳しさが分かりましたか?」って言ってるけどブーメランすぎる!元社長、全然世の中の厳しさわかってないじゃんか!部下には偉そうに、政府側(ゴロウとジュウロウ)には媚び諂って、見てられなさすぎる。

元部下も調子良すぎだけど、争い事とかが揉め事を起こさないように周りを宥めて今まで生きてきたんだろうな。忙しい両親を持った真ん中っ子みたいなイメージ。できるだけ穏便に、周りの人の機嫌を損なわないようたち振る舞ってる。24時間同じところで生活するのにこの性格だと疲れちゃいそう。

 

国民神殿の儀式と美しい人の運営会議

この美しい草花の香りを嗅ぐ儀式まるで裸の王様。ジュウロウが何も香りを感じなかったのが正しいんじゃないかな?総理含め政府はいい匂いなんてないことわかってるけど、美しい人と彼らの任務を正当化するためにこの儀式を行なっている。ゴロウは昔から美しい草花への憧れがあったり、神の心配をしていたり、政府のこの政策を純粋に受け入れている感じからその先入観によっていい匂いを感じてるんだと思う。

ジュウロウとゴロウは幼い頃に両親が他界してしまって、今まできっとお互いに寄り添いあいながらなんとか生活してきた。ジュウロウは正義感も強くて真っ直ぐな青年って感じだからゴロウの生活のためにも頑張ってきたんじゃないかな?それこそホームレスにならないよう。だから政府の新しい施策に携われていること自体が本当に光栄で誇りと思っていそう。美しい人の警備をしていることで、自分達は今は檻の外にいるけど、檻の内側に入ってた可能性もあることを理解しているからこそ美しい人と対等に接してるし、彼らの人権も気にしてる気がする。

ゴロウはジュウロウとはまた違う。素直だし、美しい人政策に関われていることを誇りに思ってるけど自分達は政府側で選ばれたものっていう感覚を持っていそう。だから美しい人を人として扱わないし、命は大切にって言っておきながら、言うこと聞かなかったら殺すぞとか平気で言っちゃうんだと思う。

 

ゴロウの提案

現実世界でアイドルとして不特定多数の人の「推し」である福本大晴が演じるゴロウに美しい人たちの中に推しを見つけてもらうのは?って言わせるのすごいなって思った。

これについては考えたけど、美しい人は自分の意思問わず入園させられていたり、やめたくても外に出ることができない。その点、アイドルは自分からオーディションを受けてその後も自分の意思で活動を継続してくれている。だから私が今している推し活はゴロウが提案したものとは違うという結論に自分的には至った。辞めたいと思ったこともある中で活動を続けてくれてAぇ! groupとして少しずつ夢を叶えたり、想像してた以上の未来が広がっていることに改めて感謝。

「儲かった方がみんなハッピーだよ」って広報担当の目黒次官(草間リチャード敬太)が言ってるけど、これは芸能界ではすごくある考えだと思う。それこそたくさん露出させて人気のある雰囲気を作って(佐藤大臣(佐野晶哉)の世論なんてどうにでもなる発言)、ファンにたくさん課金させて芸能人の仕事へのやり甲斐の搾取。幸い個人的にはAぇは周りのスタッフさん、関係者さんに愛されているなって感じれることが多いし、金儲けのために利用されているなと感じることはないから、これからも各お仕事でスタッフさん含めてワンチームで楽しいことしようっていう今の動き方がずっとできるといいなって願ってる。

美しい人の決闘。古代ローマコロッセオは決闘場として建てられたことは有名だし、コロッセオでの決闘は娯楽として行われていた。5~8.7万人収容できたらしいけどそれって国立競技場ぐらい。そのコロッセオで娯楽として決闘が行われてたって今ではあり得ないけど、現実それを楽しんでいたって恐ろしいと同時になんで終わったのかな?って調べたらローマ帝国キリスト教化に伴って決闘がなくなった説があるらしい。でも物語の中の日本は、国民神殿での儀式からして宗教色が強い国として描かれていた。もちろんフィクションだし、この国の宗教がどんな宗教かはわからないけど、政府は必要な犠牲とか言って国民を丸め込むのかな。